ゼロからはじめる地方マーケティング vol.2に参加してきました
ゼロからはじめる地方マーケティング vol.2に参加してきましたので、感想を綴っていきます。
概要
- 開催日時:4月16日(火)18:30〜
- 登壇者:桜井 貴斗さん(HONE Inc.)
感想
実際の町のお茶農家さんの事例をもとに、どういう課題や悩みがあって、それらを解決するためにどのように考えて動いていったのかについて、具体的に展開されていきました。
地方マーケティングは、町自体の人口が少ないため内需だけだと限界があり、外に売り出していく必要があるというお話や、予算が限られていることが多いため、コストカットを優先して考えたり、市町村や商工会議所と協力しながら進めていくなどのお話について、なるほどなと思いながら聞いていました。
お茶について掘り下げていくと、急須で飲む人が減りペットボトルで飲む人が増えたこと、飲料メーカー中心のお茶の卸が増えたため、自分の農家の名前が出なくなり、単価も安くなったことなどのお話がでました。一般的なことでも、考えられることをまずは挙げていくのがいいのかなと思いながら聞いていました。
こちらのお茶農家さんは、お茶のほかにさつまいももやっているそうで、このさつまいもに着目したそうです。有名な品種はすでにたくさんあり、そこでは勝負できないので、干芋で進めることにしたそうです。もちろん干芋を選んだのにはたくさん理由があるのですが、具体的なことまでは割愛させていただきます。
そこで干芋について、調査を進めます。例えば、栽培されている場所、栽培方法によって味がどう変化するのか、有機肥料を使うかなどのことから、消費者に定量調査ツールを使いアンケートを実施したりということをしていました。
これにより、色んな情報やデータの傾向が得られるため、仮説や戦略が立てやすくなります。例えば、干芋を購入する頻度は月に1回程度で、スーパーで買うことが多いという情報などが得られたりします。この他にもたくさんありましたが、それらを元にして、どういう干芋がいいのかを考えていくことになります。
干芋を展開していくにあたり、他の干芋の商品の調査から、ライバルになりそうなお菓子の調査などもされていました。マーケティングはほんとうに色んな視点から考えないといけないため大変だと感じます。
最終的な方向性として、ジッパー付き、1口サイズ、持ち歩きができる、ねっとりしていない、リピートできる価格帯、チョコやグミの代替品になる方向で決まったそうです。
今回はコストカットできる予算にも限界があったそうで、クラウドファンディングもされていました。そういえばそういう手段もありだなと今さらながら感じました。
どんなときにお金を払ってくれるかを考えることが大切だそうです。例えばコンビニのビニール傘は雨の日になると売れます。これは天候が雨になることが原因ですが、それを干芋として考えたときに、どうすればいいのかを掘り下げていくことが大切とのことです。
商品によって、価格を上げても売れるものや、反対に売れなくなるものがあります。代替がきく商品であれば、価格が上がれば他の商品に逃げられてしまうなどです。それは商品によって違うため、その見極めが大切です。消費者の視点に立って考えることがマーケティングには大切だなと改めて感じさせられました。
マーケティングのフェーズについてもお話されていました。自分ひとりですべてのことができなくてもいい、チームの誰かが各フェーズのどれかをできれば大丈夫というお話もされていて、組織でできるところのいい部分はやっぱりここだよなと聞いていて感じました。
最後に、簡単なワークショップがありました。配布されたシートに基づいて、自分でターゲットを決めて、マーケティングを考えていくというようなことです。ここで改めて自分のやりたいことが見えた気がして、貴重な時間を過ごすことができました。
交流会でも、桜井さんや他の参加者たちとたくさんお話することができて楽しかったです。勉強になりました。ありがとうございます。